• Chow Chow
  • チャウ・チャウ

チャウ・チャウのスタンダードについて


大変古い起源をもつ犬で、中国では2000年以上前から飼育されている土着犬である。外見から考えると、長毛のスピッツや顔立ちからはマスティフ系の犬も祖先犬の可能性があるが、詳しくは解明されていない。
舌の色が青黒く、短毛であることを除けばきわめて容姿の似ているチャイニーズ・シャー・ペイは、チャウ・チャウと同じ祖先犬から分かれた犬と考えられている。青黒い舌を持つ他犬種としては北海道犬があり、さらに秋田犬とは、より近縁とされる。これらの犬種は、狼に比較的近いとされており、初期のチャウ・チャウは猟犬として使われていた犬だったと考えられている。また、ノルウェジアン・エルクハウンドやポメラニアン、キースホンドとも近縁の可能性があると考えられている。キースホンド その後、シャー・ペイは闘犬として、チャウ・チャウは猟犬や番犬として用途が分かれ、チャウ・チャウは犬肉食や毛皮のためにも使われてきた。 本来は運動能力が必要なはずの猟犬として肉体や骨格が改良されなかったのは、食肉犬として育種されてきたことから、太りやすく運動能力が低いことが好まれたためと考えられている。 さらに19世紀まで中国国内のみに存在し、使役目的を限定して飼育されていたため、人に親しみにくい荒い気質が少なからず残ってしまった。
1880年頃、イギリスで「中国の野生の犬」として紹介されたチャウ・チャウはロンドン動物園に展示されることになる。犬好きのビクトリア女王の関心を引き、家庭犬としての改良が本格的に始まることになった。1895年にはイギリスでチャウ・チャウクラブが設立された。アメリカンケネルクラブには1906年に登録されて、安定した人気が続いている。 日本では高度成長期にCMなどで採用されたことで知名度が上が流行犬種となったが、この時の乱繁殖で、非常に気の荒い系統が広がってしまったため、飼いにくい犬との評判で人気は下がりつつある。
冷静沈着で、警戒心、独立心が強い。良い番犬になる。家族に対しても積極的に愛情を示すことはあまり多くないとされる。

コンパクトでカプリング(最後の肋骨と寛骨の間を連結する胴の部位)は短い。ライオンのような外貌をしている。気高く威厳があり、バランスのいい体躯構成をしている。
頭部は平らで幅広い。目の下はふくらみがある。ストップは目立たない。鼻は大きく幅広で、色はブラック。ただし日王がクリームやホワイトに近い色の場合は明るい色でも許容される。ブルーやフォーンの場合はそれと同色でもよい。
目の色はダークで、サイズは中くらい。形はオーバル(卵型)。毛色がブルーやフォーンの場合はそれと同色でもよい。
耳は小さく、厚みがある。先端はわずかに丸みがある。目の方に傾斜し、耳の先端の間隔はわずかに狭くなり、この犬種特有の表情を作り出すが、決して頭部の皮膚のたるみによって作られた表情ではない。
唇の縁と上顎の色は黒(ブルー・ブラック)で歯肉も黒が良い。舌の色は青黒い。咬み合わせは完全なシザーズ・バイト。
首は力強く太いが、短くはない。
背は平らで力強い。胸は幅広く深い。
尾の付け根は高く、背負うように付いている。
前脚はまっすぐで後脚は筋肉質。ホックは低い位置にあり、特徴的な竹馬歩様(上下に激しく動く、歩幅の狭い歩様)を作り出すために角度は最小限に留められている。前方に曲がってはいけない。

ブラック

レッド

ブルー

フォーン

クリーム

ホワイト


しばしばシェード(陰影)が入っているが、斑や、パーティー・カラーは許容されない。自然なアウトラインや表情を変えてしまうような人工的なカットは欠点となる。


原産地中国(後援国:イギリス)
標準体重雄:18~27kg 雌:18kg~27kg
標準体高雄:48cm~56㎝ 雌:46cm~51cm