• Flat Coated Retriever
  • フラット・コーテッド・レトリーバー

フラット・コーテッド・レトリーバーについて


フラット・コーテッド・レトリバーが、犬種としてドッグショーに出展されたのは1860年の、イギリス・バーミンガムでの展示会であったと推察されている。 実はまだこの時、フラット・コーテッド・レトリバーの毛は波状の巻き毛を持つウェービー・コーテッド・レトリーバーの姿であったとされる。
さらにその祖先はさらに巻き毛が強いカーリー・コーテッド・レトリーバーという、イギリス最古のレトリーバーである。のちにスタンダード・プードルの祖先犬の1頭ともなったと言われている古い犬種で、希少犬種として現在も主にイギリスに存在している。
一方、ウェービー・コーテッド・レトリーバーは改良によってさらに巻き毛がゆるくなっていき、次第に直毛になり、そこからフラット・コーテッド・レトリーバーとなって、元の姿を消した。
フラット・コーテッド・レトリバーの祖先については、もうひとつ別の説がある。 ウォータ―・スパニエルやニューファンドランドの入った雑種、昔のラブラドール・レトリーバーやセター、ラフ・コリーなど、様々な犬種が用いられたというものだが、この説についても明確には分かっていない。
また、色々な犬との交配の中で、カーリー・コーテッド・レトリーバーがいた可能性も否定できない。 時代背景としては、鳥猟の発達とともにより、山の奥深くに入るようになった猟師たちから、川を渡ることを嫌わない猟犬が求められるようになった。そこで、以前から使われていたセターなどの猟犬と、水の好きなニューファンドランド系の犬をかけ合わせられたとも言われ、外見的にもこの2つの犬種の影響は強く出ている。
1860年のバーミンガムでのドッグショーに初めて登場したとされるフラット・コーテッド・レトリーバーだが、この時点では、まだウェービー・コーテッドやカーリ・ーコーテッドとの区別が明確ではなかった。 しかし、1864年のショーに出展した2頭の雌のフラット・コーテッド・レトリーバーによってこの犬種の評価が高まり、固定化への本格的な繁殖が始まることになる。その後、1874年には、フラット・コーテッド・レトリーバーが犬種として明確に区別されたという記録がある。
1915年にはアメリカン・ケネル・クラブ(AKC)にも犬種として登録されたが、この頃、ラブラドール・レトリーバーやゴールデン・レトリーバーの人気が上昇していき、フラット・コーテッド・レトリーバーの人気は徐々に薄れていく。
第二次大戦の頃になると、世界中で犬を飼育する余裕がなくなっていたことも逆風となり、犬種の維持が困難になるほど減少した。 そして終戦後、ゴールデンやラブラドールと異なるフラット・コーテッド・レトリーバーの魅力を知り、彼らを愛する人たちによって、ようやく復活することになった。
明るく陽気で、とてもフレンドリーな性格。天賦のガン・ドッグとしての能力を備えている。主人や周りの人や犬をよく見ていて、敏感に反応して愛想を振りまく。レトリーバー種の中でも猟犬としての能力が高い。

頭部は長く、スカルは平らで程よく幅広い。ダウン・フェイス(スカルから鼻先まで下方に向かって傾斜したマズルをもつ顔)やディッシュ・フェイス(鼻筋が反って皿状になった顔)は好ましくない。鼻の大きさはほどよく大きく、鼻孔は大きい。
目の大きさは中くらいで、色はダーク・ブラウンもしくはヘーゼル。丸い出目は極めて好ましくない。
耳は小さく、しっかりと付いている。
顎は長く力強い。野ウサギやキジを簡単に運ぶことができる。咬み合わせはシザーズ・バイト。
首は頭部としっかり付いていて、程よい長さ。スローティネス(喉の下の皮膚のたるみ)はない。
腰は短くスクエア。オープン・カプリング(ラストリブと寛骨の間を連結する胴の部位が長いもの)は極めて好ましくない。

ブラック

レバー


原産地イギリス
標準体重雄:27~36kg 雌:25kg~32kg
標準体高雄:59cm~61.5㎝ 雌:56.5㎝~59cm