• Great Pyrenees
  • グレート・ピレニーズ

グレート・ピレニーズのスタンダードについて


グレートピレニーズの祖先は、アジアに生息していた超大型犬のチベタン・マスティフといわれている。チベタン・マスティフは紀元前1800年~1000年頃にヨーロッパに持ち込まれ、フランスとスペインにまたがるピレネー山脈に辿り着いたとされている。グレートピレニーズは長い間、ピレネー山脈という限られた地域で繁殖を続けてきたため、祖先犬の超大型な体を受け継いだといわれている。
やがてグレートピレニーズは、狼やその他の捕食者から羊を守る牧羊犬として活躍する。 グレートピレニーズの優秀な評判が広まり、17世紀には護衛犬としてフランスの宮廷に迎えられる。ルイ14世や、マリー・アントワネットがこの犬種を気に入り、フランスの王室犬にもなった。
捕食動物の減少により護衛犬としての活躍の場が減ると、一時は絶滅寸前までにグレートピレニーズの個体数も減少。絶滅の危機を恐れた愛犬家達によって、わずかにピレニー山脈に残っていた良質な血筋のグレートピレニーズを基礎として、懸命な繁殖が行われた。 1885年に世界的な愛犬団体であるイギリスケネルクラブに登録され、その後世界各国に広まり、ジャパンケネルクラブには1961年に登録されている。
家畜の群れを狼などの襲撃から守るために使われていて、繁殖する際は防衛能力と群れに対する意識の高さが重要視された。その結果、力強く敏捷で、また穏やかで護衛するものに対する意識が高くなった。この番犬は、独立心が強く率先して行動する傾向があり、主人に対しても自己の判断の尊重を要求する。

巨大で堂々としていて、頑丈な体つきだが、優雅さも兼ね備えた外観をしている。
頭部はボディのサイズに対して大きすぎず、両側はいくぶん平らである。オクシパット(後頭部)の突起は明確で、スカルの後方はオーバル(卵型)。鼻の色はブラック。
目はやや小さめのアーモンド形で少しななめについている。色はダーク・アンバー・ブラウン。目縁は黒い。表情は優しい。
耳は目と同じ高さに付き、やや小さい。三角形で先端は丸みがある。
口はごくわずかに垂れた黒い唇が下顎を覆っている。咬み合わせはシザーズ・バイト。レベル・バイトは許容される。
ボディは幅広く、背は十分な高さがあり、がっしりしている。尻はわずかに傾斜していて、寛骨はわずかに張っている。
尾は垂れていて、少なくともホックまで達する。
前腕はまっすぐで力強い。豊富な飾り毛がある。両後肢に2本、両前肢には1本もしくは2本のデュークロー(狼爪)が見られる。デュークロー(狼爪)の欠如は失格となる。

ホワイト
ベースのホワイトにグレー、薄いイエロー、ウルフカラー、オレンジなどの斑が頭部や耳、尾の付け根にあることが好まれる。アナグマ色のパッチ(大きく不規則な斑)はたいへん好まれる。


原産地フランス
標準体重雄 50~54kg 雌:36kg~41kg
標準体高雄:70cm~80㎝ 雌:65cm~75cm