• Irish Setter
  • アイリッシュ・セター

アイリッシュ・セターについて


その名の通り、アイルランド地方を原産とする猟犬。
セターの名の由来は、獲物の前でセッティングという伏せのポーズをとる姿勢から付けられた。
17~18世紀、土着のスパニエルやアイリッシュ・テリア、イングリッシュ・セター、ゴードン・セター、ポインターなどの猟犬やテリアをかけあわせて作出されたと考えられている。 この頃のアイリッシュ・セターは、レッドとホワイトが入った毛色をしていた。現在も原産国であるイギリスやヨーロッパ等で、アイリッシュ・セターの毛色にはマホガニー・レッドの単色だけでなく、レッド&ホワイトも認められている。この毛色はレッド&ホワイトのセターから時々生まれていたが、19世紀初めのアイルランドで固定された。
アメリカや日本ではマホガニーの単色だけが認められて、ホワイトの入ったものは「アイリッシュ・レッド・アンド・ホワイト・セター」と別の犬種として区別される。理由としては、アメリカに入った最初のアイリッシュ・セターたちがマホガニー・レッドであったためと考えられている。なお、マホガニー単色のものをアイリッシュ・レッド・セターまたはレッド・セターと呼ぶことがある。
初期のアイリッシュ・セターは、祖先犬のスパニエルやポインターたちと同じような長さの首を持っていたが、19世紀にドッグショーに参加するようになると、首のすらりと長いアイリッシュ・セターの評価が高まったことから、次第に首の長い個体が選ばれるようになった。 そして1886年、原産国のイギリスで、犬種標準書(ブリード・スタンダード)が作成されることとなった。
これ以降、現代に至るまで、アイリッシュ・セターはドッグショーで華やかな姿を見せるだけでなく、実猟犬としての改良も続けられている。1998年にはブリード・スタンダードだけでなく、作業能力についての基準も書物として書かれ、フィールド・トライアル競技についてのルールも定められた。
猟犬としての健全なる犬質の維持向上のため、フィールド・トライアル競技はドッグショー同様に重要な場となっている。 こうした育種家の努力により、近年ではショーとフィールドの両方でチャンピオンとなる、優れたアイリッシュ・セターも作出されている。
体力があり心身ともにたくましい。愛情深く誠実。感受性は強いが細かいことでは動じない猟犬にふさわしい精神的な強さがある。争いを好まず、友好的だが、小動物などに出会ったときは態度が豹変し、追いかけようとすることがある。

頭部はほっそりと長い。スカルとマズルの長さは等しい。両耳の間はオーバル(卵型)。眉は盛り上がっていて、オクシパット(後頭部)は突出がはっきりしている。目の色はダーク・マホガニー、ダーク・ウォールナッツもしくはブラック。
目の色はダーク・ヘーゼルもしくはダーク・ブラウン。大きすぎてはならない。
耳の大きさは適度に大きく、質感はきめ細かい。
垂れた唇だが、垂れさがってはいない。咬み合わせはシザーズ・バイト。
首はたいへん筋肉質で、火度よく長い。スローティネス(喉の下の皮膚のたるみ)はまったくない。
尾は適度な長さで、ボディと釣り合った長さ。背と水平もしくは背より下に付く。
肩の端はとがっていて、深く後方によく傾斜している。前脚はまっすぐで筋骨たくましい。

リッチ・チェスナット
濃い栗赤色。


原産地アイルランド
標準体重雄:27~32kg 雌:27kg~32kg
標準体高雄:66cm~68㎝ 雌:61㎝~63cm