この犬種の祖先は、スペイン原産のトイ・スパニエルとされている。
イタリアのボローニャ地方で繁殖され、16世紀にはフランス国内に入って、王侯貴族たちに寵愛を受けていた。
王侯貴族を描いた中世の絵画には、時々パピヨンも登場している。王妃マリー・アントワネットの愛した犬として知られており、彼女が処刑台に上がる直前まで、パピヨンが一緒にいたとも伝えられている。
パピヨンというの名称になったのはずっと後のことで、初期のパピヨンは耳よりも華やかな尻尾に注目されていたので、スカーレル(リス)・ドッグ、スカーレル・スパニエルなどと呼ばれていたとされる。当時は垂れ耳タイプ(現在のファーレン)が多く生まれていたが、立ち耳のパピヨンも時々生まれていたようで、古くから王侯貴族を描いた絵画の中に登場していた。
現在のような立ち耳のタイプのパピヨンは、18世紀末頃から選択的に交配されて増えていき、19世紀頃になるとイタリア、フランスに続いてベルギーでも繁殖されるようになった。
立ち耳であるスピッツと交配して蝶のような大きな立ち耳を持つようになり、チワワとの交配でサイズは小さくなった。そして現在のパピヨンに近い洗練された姿となって、人気が高まっていきました。そのため、現在のスタイルのパピヨンは、ベルギーが原産ではないかという見解もされている。
そしてこの頃からようやく、パピヨンという名前で呼ばれるようになった。垂れ耳のパピヨンをファーレンと呼びますが、同じ犬種として認められている。

明るく活発で、優美だがたくましい。人が好きで穏やかな面があり、愛玩犬らしい気質をしている。

白地であればどの毛色でも認められる。