• Sealyham Terrier
  • シーリハム・テリア

シーリハム・テリアのスタンダードについて


1850年、イギリス・ウェールズ州のシーリハムに住んでいたJ・エドワーズ氏は、優れた能力を持つ猟犬を自らの手で作り出そうと、いろいろな犬たちの交配を始める。詳細な記録は残っていないのでどのような犬種が導入されたのかはわかっていない。推測されているのは、ダンディ・ディンモント・テリアやワイアー・フォックス・テリアをベースに、背中の短さと白い被毛はウェスト・ハイランド・ホワイト・テリアから、足の短さはウェルシュ・コーギーを、闘争心を高めるためにブル・テリアを導入し形作られたのではないかとされている。
軍人であり優れたハンターでもあったエドワーズ氏は、この犬種の作出に当たり、徹底した間引きを行ったといわれている。それは子犬の頃、闘争心を試すテストを行い、弱い犬は容赦なく処分したというものであった。30年以上にわたるその選択の繰り返しで、シーリハム・テリアは大変猟欲の強い犬として固定されていった。カワウソやキツネ、アナグマなど自分より大きな体の動物に向かっていく気の強さは猟犬として好ましく、重宝されていた。
1891年に作出者のエドワーズ氏が亡くなると、シーリハム・テリアの育種にも変化する。フレッド・ルイス氏によって育種が続けられてきたシーリハム・テリアは、1903年に初めてドッグショーに登場した。テリアらしい誇り高い気質や特徴ある容姿が評判となり、1911年には新しい犬種としてイギリスケネルクラブに登録された。ショードッグとしての質を高めるため、激しいテリア気質を弱めてより扱いやすい犬へと育種が続けられたシーリハム・テリアだったが、その考え方に反対する育種家も現れた。選択繁殖により与えられたこの犬種の気性も、特性として残すべきという考え方で、これに基づいた繁殖は現在もイギリス国内を中心にわずかながら続いている。
たくましく、勇敢。注意深く頑固な一面もある。テリア・キャラクターを十分に持っている。家族に対しては愛情深いが、他人には強くでることもある。

自由な動きで活動的である。小さい体だがしっかりしている。
スカルはわずかにドーム状になっている。鼻の色はブラック。頬骨は目立たない。
目の色はダークで形は丸く、大きさは中くらい。目縁は色素が濃いのが好まれる。
咬む力が強く、顎はスクエア。咬み合わせはシザーズ・バイト。
首の付け根は太く筋肉質である。
ボディは中くらいの長さで、柔軟。あばらはよく張っている。
尾は、以前は慣習的に断尾されていた。断尾する場合は中くらいの長さにする。しない場合はボディとのバランスを考えた中くらいの長さ。

ホワイト
ホワイトの一色か、ホワイトにレモン、ブラウン、ブルー、バシャー(アナグマ色)の斑が耳と頭部にある。


原産地イギリス
標準体重雄:約9kg 雌:約8.2kg
標準体高雄:31㎝を超えてはならない。 雌:31㎝を超えてはならない。