• English Cocker Spaniel
  • イングリッシュ・コッカー・スパニエル

イングリッシュ・コッカー・スパニエルについて


古くからの土着のスパニエルで、ランド・スパニエルと呼ばれる陸地での猟に使われていた犬たちの仲間が、イングリッシュ・コッカー・スパニエルの祖先と推察されている。 イングリッシュ・コッカー・スパニエルの仕事は、潜んでいる山鳥を飛び立たせ、撃ち落とされた鳥を回収することであった。 元々は、イングリッシュ・スプリンガー・スパニエルと同犬種とされていたが、大きさの違いが猟における役割の違いとなっていったため、1892年、イギリス・ケネル・クラブは、この犬種を別の犬種として分けることになった。
その後、イングリッシュ・コッカー・スパニエルはアメリカにわたるが、独特のウェーブのある長毛と小型でしっかりした体つきが好まれ、愛玩犬らしい改良が施されることになる。 獲物を回収するために長くできていた口先は小さくなるように、毛並みはより装飾的に、頭は丸く、サイズはさらに小さくと、猟犬らしさを消し去ろうとしたが、これにイギリスの愛好家たちが反発した。
両国の愛好家たちの意見には折り合いがつかず、アメリカにわたって選択交配が進められたイングリッシュ・コッカー・スパニエルたちは、アメリカン・コッカー・スパニエルとして独立することとなった。アメリカでは逆に、アメリカン・コッカー・スパニエルこそが本筋であり、イングリッシュ・コッカー・スパニエルは亜種であるとして、アメリカン・ケネル・クラブ(AKC)に登録されたのも1946年と、比較的最近のことである。 しかし、今日においても、アメリカ以外の国では「コッカー・スパニエル」と言えばイングリッシュ・コッカー・スパニエルを指す。
イギリスでの名称には「イングリッシュ」はつかず、代わりに犬種団体名に定冠詞Theがついている。 名称の元となったコッカーとは「ヤマシギ」という鳥を意味し、ヤマシギ猟に使われるスパニエルという意味でこの名がついている。 日本では長い名称を縮めた愛称として「インギー」と呼ばれることが多い。
明るく遊び好きで体力がある。絶えず尾を振っている。穏やかで愛情深いがやや繊細な面もある。

スカルはよく発達していて、輪郭はすっきりとしている。ストップははっきりしていて、マズルはスクエア。
目は大きいが突出はしていない。色はダーク・ブラウンからブラウンであって決して明るくない。目縁は引き締まっている。
耳はロビュラー(木の葉の形)で、目の高さで低く付く。長くまっすぐでシルキーな被毛で覆われている。
咬み合わせはシザーズ・バイト。
首は筋肉質で程よい長さ。喉はすっきりしている。
ボディは頑丈でコンパクト。腰は短く、幅広い。
尾は慣習的に断尾すつ。断尾しない場合はわずかにカーブしていて、ホックより下に達しないのが理想。
前肢はじゅうぶんな骨量でまっすぐ。後肢は幅広く、十分に丸みを帯びている。パッドは厚く、ネコ足である。

様々な毛色


原産地イギリス
標準体重雄:12.5~14.5kg 雌:12.5kg~14.5kg
標準体高雄:39cm~41㎝ 雌:38㎝~39cm