この犬種の元となるワイアーヘアのポインター犬種は、ドイツ国内に古くから数種類存在していた。これを統一して、熱意のある狩猟本能の高いワイアーヘアのポインター犬種を作るという目的で、19世紀の中期に誕生したのがジャーマン・ワイヤーヘアード・ポインターである。作出にはジャーマン・ブロークンヘアード・ポインターや多くのドイツ産のワイアーヘアのポインターやスタンダード・プードル、ポーランド産のウォータードッグタイプの犬種などの様々な犬種が交配された。その結果、狩猟本能が旺盛でいかなる環境でも適応できる強い優秀な犬種として仕上がった。
この犬種はあらゆる動物の追跡、ポイント、自己狩猟(自ら仕留める)、回収をこなすことに使われる。たった1頭で3頭分もの働きを行なうため、主人は発見した動物を狩るか否かの指示を出すだけで済み、高齢になっても狩猟を続けることができるという点が本種の売りであったが、あまりにも本種が多くの仕事を行なうために、猟師が手を余し、猟に本来使うべきレトリーバーや猟銃の需要が減ってしまうのではないかということが問題視され、それが原因でドイツ国内ではあまり人気が出ずに、絶滅の危機にさらされてしまった。だが、ナチスの台頭によりドイツからアメリカ合衆国へ移住していった人々により新世界に持ち込まれ、そこで能力の良さを評価されて人気を得た。それにより現地での繁殖が順調に進み、絶滅の危機を脱することが出来た。そして、原産地であるドイツやヨーロッパ諸国へ輸出が行なわれるまでにその頭数は回復した。 現在においてもまだまだ珍しい犬種で、大半は実猟犬かショードッグとして飼育されている。日本でもあまり多くはないが、数頭が飼育されている。数年に一度国内で仔犬が生まれ、正規の国内登録も行われる。

猟場において様々な作業ができる万能な猟犬。決然としていて、自制心があり、バランスが取れている。主人や家族に対しては愛情深く接する。シャイでも攻撃的でもない。

ブラウン・ローン

ブラック・ローン

胸に白斑が許容されるブラウン

明るい色味のローン