• German Shepherd Dog
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ジャーマン・シェパード・ドッグのスタンダードについて


アジアやヨーロッパ各地にはそれぞれの土地に適した牧羊犬が多数存在しており、ドイツでもチューリンゲン、クローネ、ヴェルテンベルク地方などに種々のタイプの牧羊犬がいた。 これらを選択、改良したのが現在のジャーマン・シェパードである。シェパードとは「羊飼い」の意。
ジャーマン・シェパードは「理想の使役犬」を作ろうとしたフォン・シュテファニッツ大尉により作業能力、学習能力を最優先して選択交配を重ね作出された。 作業能力を重視した事により、被毛の質や長短には多くのタイプがあり、20世紀初期までは、ロングコートやワイヤーコートなどが混在していた。 近年、各犬種団体が公認しているのはショートコートのみである。
犬を軍用に用いる事は古くから行われていたが、本格的に起用されたのは第1次大戦下であり、用いられた犬種は主としてジャーマン・シェパードである。 負傷兵の救出や通信、伝令が主要な任務であった。我が国でもジャーマン・シェパードは戦時中に質、量ともにピークを迎えていた。 ドイツから大量のジャーマン・シェパードが輸入され、民間の訓練所で訓練され、これを軍が買い上げ、前線に送った。 戦後は一時的に衰退したが、警察犬や工場の警備などに活路を見い出し、他の犬種とは一線を画しつつ犬界に君臨してきた。現在も警察犬、麻薬捜査犬、盲導犬、救助犬と多分野で活躍している。ジャーマン・シェパードは人類が作出した犬の中の最高傑作で、ジャーマン・シェパードほど多くの使役に利用される犬は例がない。
ジャーマン・シェパードがイギリスでアルザッシャンと呼ばれるのは、この犬のルーツがアルザス地方の牧羊犬であると考えられている事と、第1次大戦の前後イギリスとドイツは敵対国であり、ドイツの誇る犬種を認めたくなかった事にも由来する。
落ち着きのある安定した性格。自信に満ち注意深くも大胆で、訓練もしやすい犬種。 警察犬や災害救助犬としても有名であり非常に賢く、もともと軍用犬として改良と繁殖を重ねて誕生した犬種。忍耐力と忠誠心を備えているため、しっかりと訓練すれば家庭を守ってくれる頼もしいパートナーとなる。その一方で飼い主からの愛情が不足すると問題行動を起こすことがある。しっかりと散歩やコミュニケーションを取る必要があり、ある意味人間に近い犬種といえる。

体長が体高より長い。力強く筋肉質で、骨が堅く全体的にがっしりしている。
頭部はくさび形で、ボディとの釣り合いがとれている(体高の約40%)。スカルとマズルの比率は1対1。鼻はブラック。
目は中くらいの大きさでアーモンド形をしていて色は出来るだけ暗色。
耳は直立耳。半直立耳や垂れ耳は欠点となるが、歩様時や休止時に耳をねかせているのは欠点にはならない。
上顎と下顎はとても頑丈で、完全歯。咬み合わせはシザーズ・バイト。
首とボディの水平線に対する角度は約45度。喉にたるみはない。
ボディは明確なキ甲部からごくわずかに傾斜した背を通り、徐々に尻にむかって傾斜する。
尾は少なくともホックまで届くが、リア・パスターンの中間部分を超えてはならない。
歩様はトロット(速歩)。四肢は長さやアンギュレーション(骨格の結合部分の角度)とバランスが良い。
気が弱い、神経質なのは失格となる。


ブラック

グレー

レディッシュ・ブラウン

ブラウン

イエロー




色素が欠乏しているのは重大な欠点となる。アンダー・コートは明るいグレーがかった色。


原産地ドイツ
標準体重雄 30kg~40kg 雌 22kg~32kg
標準体高雄60cm~65cm 雌55cm~60cm